第1852回
なぜ成都から1号店をスタートさせたか

成都というと、
内陸にある田舎町と思うかも知れませんが、
人口1千万人の大都会です。
四川省はかつて1億2千万人の大きな省でしたが、
重慶市を分割して直轄市にしたので、
いまは9千万人足らずに減っていますが、
それでも中国最大の人口を擁する
最大の省であることに変わりはありません。

三国志の中に出てくる劉備の蜀の国は、
諸葛亮孔明という軍師のおかげで
知らない人はいないと思いますが、
最近発掘された
4000年前の古跡から出土した文物からも
うかがえるように、
沿岸地域とはまた別の文明の伝統を持っています。
「雨が晴れて太陽が出ると犬が吠える」
と言われていますが、
太陽の直射日光が
それほどなくとも農作物がよくとれて
これだけの人口を養って行ける
豊かな地域なんです。

私がショッピング・センターをつくるのに
何でこの土地を選んだかというと、
揚子江で川下の上海と直結していて、
流行のセンスでも上海に次ぐモダンなところで、
北京の方が却って田舎臭いことに
すぐに気がついたからです。
もう一つ重要なことは、
購買力ではもちろん、
上海の足元に及びませんが、
そうした環境を狙って、
上海にデパートが10軒開店するとすれば、
成都は1軒という比率になりますから、
どちらが商売がしやすいかと言えば、
成都ということになります。
実際に北京と成都に店をひらいた
イトーヨーカ堂にしても、
面積当りの売上げは成都の方がずっと上なんです。

現に小平が改革開放政策を打ち出した時も、
自由市場の1号店は
ご本人の生まれ故郷である
四川省からはじめました。
脱サラをして自営する人が多いので、
平均賃金は低いけれど、
自由に使えるお金を持った人がたくさんいます。
中国一生産量の多い長虹テレビの本拠地ですが、
ソニーやパナソニックの高価なテレビが
よく売れるところでもあるのです。

広い中国のことですから、
商売をはじめるのは
上海か北京からということはありません。
あちこち見比べて、
私の場合は成都からスタートしました。


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