第1916回
世界一の卸売りセンターをご存じですか

黄山から上海に出たら、
いつもの考察団の場合は
どこか有望な上場会社の見学に行くか、
自由な時間を設けて
勝手に町を歩いてもらうことにしています。
でも今回は1日かがりで義烏市という中国一、
したがってまた世界一の日用品の問屋マーケットを
見学に行く計画を立てています。

中国の地方の都市で
私が一番注目に値いすると思っているところは
温州市です。
日本には温州みかんという言葉が
まだ残っていますが、
もう温州にはみかん畑はほとんど残っていません。
温州人は勤勉で抜目のない人が多いので、
資源らしいものは何もないところですが、
繊維と皮革の加工からスタートして、
縫製と靴カバンのメーカーが所狭しと居並ぶ
アジアのミラノにまでのしあがりました。
そうして稼いだお金を元にして
上海をはじめ
全国の主要都市の不動産の投機に乗り出し、
どこの都市でも不動産の価格が
動意を示すようになると、
かげに温州商人ありと
言われるようになっています。

その温州と並んで
最近とみに注目を浴びているのは
同じ浙江省にある義烏市という新興都市です。
上海から車で3時間ほどかかる田舎にありますが、
どういうわけだが、
ここに日用品の卸し売り市場ができ、
中国全体だけでなく、
外国のメーカーからも出先機関を
おかれるようになったそうです。
商品の部門ごとに
一つの区画ができているので、
商品の仕入に行く人は
一つのブロックを歩くだけで
1日が暮れてしまうと
人づてにきいたことがあります。

私もはじめてですが、
中国と商売をやりたいと考えている人にとっては
見落すことのできないスポットなので、
一夜泊りになるのか、
その日のうちに上海まで帰って来られるのか、
まだ旅行社と打ち合わせをしているところですが、
これは当然のことながら
投資のヒントを得るための
我々の考察団にとっては
ぜひ足を伸ばしたいところです。
義烏市なんてきいたこともないという人にとっては
なお更のことです。


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