第1998回
観光ブームはまだはじまったばかりです

黄山の開発は夢に終わってしまいましたが、
合肥に日立建機の工場を建てる話は
意外にスムーズに事が運んで、
ことしで満10周年を迎えることができました。

何しろ黄山をケーブルで上にあがるのは簡単ですが、
そこからホテルに辿りつくまでに
何千段という石の階段を
上がったり下りたりしなければなりません。
この前も駕籠に乗ることをすすめられましたが、
まだ大丈夫ですと頑なに拒否して
行きも帰りも自分の足で歩きました。
今度は80才を越えてかなり自信を失っていますが、
雨の中をケーブルで上まで登り、
どこを見ても駕籠屋が見当たりませんでしたので、
雨の中を若い秘書に支えられて
石段を上がったり下りたりしながら、
1時間近くもかけて
やっと西海大飯店まで辿りつきました。

我ながらよく歩けたものだと感心しましたが、
山がすっかり雲の中に包まれて
何も見えないと言うのに、
ホテルの中は超満員。
内装の手入れは少しはありましたが、
建物は十何年前のままだし、
旅客の食事も入れ替え制でしたから、
ホテルの経営者の笑いが止まらないことは
誰の目にも映っている通り。
泊り客を見ると、日本人や韓国人はごく僅かで、
大半が現地の中国人たちになっています。
それだって13億の人口から見たら
まだまだホンの僅かですから、
中国全体が成長の波に乗って
多くの人たちが国内旅行に行くようになったら、
2時間待ちのケーブル・カーが
更に倍待つようになっても
とても観光客を消化しきれないことは
目に見えています。

「中国人の国内観光はまだはじまったばかりですから、
 いまにケーブルもホテルも
 人を収容しきれなくなりますね」
というと同行した人たちは一せいに首肯いていました。
私が十数年前に予言したことは
寸分違わず実現の方向に向っていますが、
そうした旅行ブームも
まだホンの緒についたばかりだと言っていいでしょう。
雨で一寸先も見えない時ですらこの調子ですから
本格的な観光ブームがはじまったら、
どんなことになるのでしょうかと
いまから心配になります。


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