第2031回
先ずわかりやすいスローガンづくりから

日本人に比べると、
中国人の政治家は
スタンドプレイのうまい人たちです。
でも実質が伴いませんので、
言った通りに事は運びません。
それに対して日本の政治家は
口下手で要領を得ませんが、
役人がしっかりしているので、
汚職も少く、法律もしっかり守ります。
ですから中国では「政治あって行政なし」
日本では「政治なくして行政あり」というのが
私と同年代の人たちの一致した見方でした。

その目で見ていると、
この傾向がいまも色濃く受けつがれていて、
中国の政治指導者たちは
スローガンづくりにたけています。
孫文は「三民主義」を唱えて
国父と仰がれるようになったし、
蒋介石は「以徳報怨」と言って
日本人に感謝されているし、
毛沢東は「造反有理」と言って
人民の不平不満に火をつけました。
まだ小平は「黒猫白猫」問答で
疲弊した中国を蘇生させたし、
江沢民もそれにならって「三つの代表」を打ち出して
名を残そうと懸命の努力をしています。
考えて見れば、たとえ実を伴わなくとも
名スローガンであれば
のちのちまで人々の記憶に残るものです。

ですからこの次、
日本でも選挙で勝とうと思えば、
先ず名スローガンを考える必要があります。
スローガンは政策の結晶ですから、
それを生み出そうと思えば、
自分がやりたいことを整理して
人にわかりやすい言葉に圧縮して
表現しなければなりません。
それが得票につながるのです。

テレビでも報導されていましたが、
昔は3分間かかって喋っていたことが
テレビの時代になると、
8秒で表現しなければならなくなったそうです。
私はいつも3分間で自分の言いたいことを
言ってしまう練習をしなさいと
若い人にアドバイスしていますが、
それは多忙な上司に対してだけでなく、
反応の鈍い選挙民にも有効なのです。
世襲制の議員さんと足で歩いて
人を口説いてのしあがったドブ板の議員さんで
コンクールをすると面白いですね。
そういった意味でも次の有望株は
いままで駄目だと言われていたところに
ありそうな気がします。


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