第2066回
中国の高度成長にはコカコーラも参加しています

中国は日本に比べて
半世紀近くも遅れて
工業化に取り組むようになりましたが、
たいへんな勢いで工業化がすすみ、
あッという間に「世界の工場」とまで
呼ばれるようになりました。
もはや中国人に工業は不向きだと言う人は
いなくなりましたが、
中国が工業化によって急速に近代化することに
いちゃもんをつける声はまだまだ絶えません。
中国が日本に急速に追いつくことに
不安と焦りを感ずる反面、
遂に追い抜かれてしまうのではないかという恐怖心も
心のどこかの片隅にあるからではないでしょうか。

急速な工業化によって
いま中国に起っている矛盾や問題は
かつて日本でも起ったことです。
成長が進むと日本でも
地方と都市部との貧富の差は大きくひらいたし、
またそれだからこそ過疎地帯と過密地帯が生まれ、
収入の少い地域から収入の多い地域へ
大量の人口移動が起ったのです。
また賃上げとストが
年中行事化した日本の大都会では
庶民の預金を預かる銀行が
国際金融資本の手先と罵られ、
1円貯金のいやがらせ攻撃の的にされたこともありました。
バブルがはじけてからも問題山積ですが、
高度成長の時代も、
日本の大会社もストで明け暮れたし、
役所もデモの行列で包囲されるのが
年中行事の一つでした。

それに比べると、
日本の人口の10倍を擁する中国の社会秩序は
強権によって維持されていると言っても、
かなりうまく運営されていると言って
よいのではないでしょうか。
と言っても、成長のスピードがかなり早いので、
手綱をしめるだけでも容易なことでないし、
それが広大な地域に及ぶとなると、
あちこちにボロが出るのは防ぎようがありません。
なかでも日本の高度成長時代と一番違っていることは、
日本は扉を堅く閉ざして
日本人だけによって推進したのに対して、
中国では世界中の資本がそれに参加していることです。
日本に比べると、中国は歴史はじまって以来、
いつも開放社会なのです。
現にコカコーラもフォルクスワーゲンも
いまの中国の高度成長には参加しています。


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