第2068回
日本と並び、日本を追い越す体制へ

共産主義は排他的で気の小さい思想ですが、
中国人はプライドは持っていても、
排他的でも気の小さい国民でもありません。
だから、役に立つものなら何でも受け入れます。
少し前までは帝国主義といって
アメリカを目の敵にしていましたが、
いまは上海に行っても北京に行っても、
英語の看板が罷り通っています。
韓国で漢字の看板さえ一切禁止して
外国人に読めないハングル文字を読めと
強制したのとはわけが違います。

海外からの投資についても、
日本のように原則禁止からスタートしたのとは
全く反対の立場から出発しました。
日本では資本力のある外国企業に
乗っ取られることをおそれて
はじめから国境の壁を高くして
外資にストップをかけましたが、
中国では開放政策に転ずると同時に、
先ず工業分野で誘致奨励のための減税政策を
前面に押し出しました。
最初はおそるおそる共同出資を条件としましたが、
すぐにその必要のないことに気づいて、
100%外資による投資も
全面的に受け入れるようになっています。

既にWTOに加盟してから
4年の歳月がたちました。
大幅な関税率の切り下げと、
業種による制限も約束通りに開放されるとなれば、
全面開放の時期も近いと見てよいでしょう。
ことしの経済成長率は
9.5%に落着くという政府の発表もあったし、
来年は一応8%を目標とすると言っても、
いまのスピードが
おちる見込みがあるわけではありませんから、
全面自由化と共に、
国内需要を中心とした高度成長に移行しても、
8%をこえた高度成長は続くと見た方が
現実に近いのではないでしょうか。

そうなると、人口は日本の10倍ですが、
外貨準備高では日本と並ぶ世界一が
アジアに2つ現われることになります。
中国がここで成長のスピードを
おとす可能性はありませんが、
このまま次の体制に移るとすれば、
中国にいままでに考えられなかったような
新しい体制がはじまることになります。
それは量の変化だけでなく、
質の変化を中国にもたらすことを意味します。


←前回記事へ 2005年11月7日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ