中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2132回
上海に邱公館という小さな文化村を

もう一つことしのプロジェクトとして
計画していることがあります。
それは上海に邱公館をつくる仕事です。
公館とは中国語でお邸というほどの意味です。
自分の家を自分でお邸というのも変ですが、
国民党が健在だった頃、
共産党を取り締まる役所に
公館という名前がついていたそうです。
ですから、私が雲南省に
コーヒー栽培園をつくる時に、
邱家のコーヒーというほどの意味で、
邱公館珈琲という名前で会社の申請をしたら、
さんざ文句をつけられたことがありました。
私の東京の家にも「邱公館」という看板が
標札の代わりにかけられていますと説明して、
省政府の上層部に承認してもらい、
やっと許可をもらったことがあります。

北京のコーヒーハウスも
邱公館(英文名 Q’s CAFE)だし、
昆明のコーヒーハウスも、
また東京のコーヒーハウスにも
同じ名前がついています。
でも地方色もあるし、
それぞれの地方を担当している
スタッフの考え方も違うので、
地方別にその地方で統一されていれば
それでいいと思っています。

上海を担当した人は
コーヒーハウスをつくるだけでは気がすまず、
ムードのある町づくりに熱が入って、
とうとう小さな文化村みたいなところまで
脱線してしまいました。
上海はよそと違って中国を代表する国際都市だし、
またそういう都市としての歴史も実績もあります。
戦前の租界時代の古い家がそのまま残っていますので、
その中の一軒を上海市政府から借りて
「邱公館」という小さなプラザをつくる方向で
話がすすんでいます。

通りに面して大きな鉄の門があり、
扉を両方にひらくと
車まわしのついた庭があります。
その奥に約800平米を占める
3階建の建物があります。
プランを立てているスタッフは
3階に私の書斎をつくると言っていますが、
私は浦東のビルの中に
既に自分の仕事場もあるので、
ファッションやグラフィックやインテリアのデザイナの
溜まり場になるのがオチでしょう。
1階にはやはり
Q’s CAFEが来るのが順当でしょうが。


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