中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2139回
次は消費税の増税の番です

老人がふえて税金を納める人より
国からお金をもらう人がふえると、
日本の財政はますます困難になります。
それでも自民党が選挙で大勝すると
政府のやることに歯止めがきかなくなりますから、
歳費の倹約よりも増税に走ることになります。
財政はもうずっと前から逼迫していますから
次は景気の恢復でなく
増税の番ということになります。
民間では切り詰められるだけ切り詰めて、
やっと銀行の借入れもかなり返済し、
少々ばかり黒字が確保できるところまで
漕ぎつけたかと思ったら、
今度は増税で痛めつけられることになるのです。

法人税をあげようと思っても、
諸外国に比してとてもあげられる立場にいないし、
諸外国に比して納税者に有利なところは
所得税の免税点が
比較的高い位置にあることですから
本当は大衆課税に踏みかえたいところです。
でも、所得税の増税をすれば評判をおとして
次の選挙に不利な立場におちいることは
目に見えています。
あと残された道は
消費税の引き上げくらいなものですから、
いまの5%を8%か10%にあげるキャンペーンが
いよいよスタートすることになる筈です。

私は消費税が実施される時、
これは老人や生活補助費を
もらっている人たちにもかかる大衆課税で、
しかも一ぺんその味を覚えたら
ヨーロッパの最高税率並みの18%まで行きつくことは
目に見えているからと言って反対しましたが、
その後ヨーロッパで18%から25%まで
あがった国もありますから、
財政困難におちいった日本も
そのあとを追うことが
いよいよ避けられなくなりました。
消費税のスタートは折角、
不況が底を打ったかに見える時点で
日本経済を逆に引き下げるきっかけになりましたが、
今回も恐らくは
「デフレにさよならか」と言われた一すじの明しを
再び消しにかかる役割を
はたすことになる可能性があります。
景気を戻すよりも
増税が優先する社会環境におかれていますから、
折角の株価の上昇も途中で
腰砕けになると私は見ています。
増税が昇給を帳消しにする時代が
いよいよ到来したと思って
先ず間違いないでしょう。


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