中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2223回
マンションの値上り要因が違います

日本では土地の所有者が買収に応じないと、
成田の飛行場の滑走路を一本ふやすのに
十年かかっても思う通りにできあがりません。
中国ではすべての土地が国有なので、
都市計画はすぐにできてしまいます。
高速道路など「そこどけ」と一声かけただけで
すぐに工事にかかることができます。
いま地方で農民の暴動が起っているのは、
そういう権力をかさに着て、
お役人が商人と結託してロクに代償も払わないで
農民を追いたてたりすることが後を絶たないからです。

日本の役人と中国の役人とどちらが悪いかというと、
官僚専制が何千年も続いた中国の方が性が悪いことは
衆目の一致しているところです。
しかし、経済の成長が続いて、
みんなのふところ具合がよくなると、人々の発言権も強くなります。
どちらかというと、
これからは役人はやりにくくなる一方で、
そのうちに役人の成り手がいなくなることも考えられます。
ですから共産党独裁の時代が
いつまでも続くというわけでもありません。

そういう動きは随所に見られます。
しかし、私有財産制度は復活しても、
土地の私有制復活にまで順番がまわってくることは
先ず考えられません。
いまの方が国の建設には都合がいいと
指導者たちも思っているからです。
すると個人で一戸建ちの家を建てるのは、
片田舎の百姓家は別として
都会ではますますチャンスがなくなります。
地方都市でも高層マンションが次から次へと建って、
中国じゅうがマンションの住人になってしまいます。
日本のように地価の高騰によって
マンションが値上りするのではなくて、
建築費とロケーション、
なかでもロケーションが
不動産の値段を大きく左右することになります。
古いマンションをずっと持っていたら値上がりするわけではなく、
都市開発のやり方によって大きく影響されるとなったら、
不動産投資のやり方だって日本と同じ方法では通用しません。
となると不動産に直接投資をするより、
不動産株に投資した方が安全だということになります。


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