中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2274回
「邱飯店のメニュー」は北京で味わえます

香港に移住するようになってから、
私の行動半径は日増しに拡がるようになり、
とうとう広い大陸の隅々まで
月に平均10回も飛行機に乗ってとびまわるようになりました。
住居も東京のほか、台北、香港、上海、北京とあるようになり、
身体が一つではまわりきれなくなってしまいました。
いくら「人生に無駄はつき物だ」と言っても、
行かない所に家があって自家用車も運転手もおいていたのでは、
二宮尊徳の弟子はつとまりません。

そこで、昨年、台北と香港の家を引き払って
人に貸すことにしました。
台北は東京と同じように
成熟社会の仲間入りをしてしまったので、
目の醒めるような企業活動はできなくなってしまいました。
また香港は広東省の出店として
輸出入業務を担当していた部分が
工場から直接という形に切り換わって
仕事が減少する方向に向かっています。
その香港が最近は相続税も全廃して
世界中のお金が集まる方向に動いていますが、
お金を動かすだけなら、
世界中どこにいてもできないことではありません。
そこで台北と香港のオフィスは残しても、
私の滞在中はホテル住まいに切りかえてしまいました。
経費を節約できる上に家賃のふえるリストラですから
肩の荷は軽いのですが、
香港に住居を移してから既に14年、
うちの家内が手塩にかけて料理を教え、
うちに10人お客があっても
1人で1卓分のフルコースがこなせるようになった
フィリピン人のお手伝いさんをどこに動かすべきか、
ハタと困ってしまいました。

私たちとしては東京の家に連れて帰りたいのですが、
日本はほかの国の人を容易には入れてくれません。
いまは私が滞在するのも
東京についで北京が一番多くなりましたので、
とうとう北京に移ってもらうことになり、
北京の三全公寓の中にある陶朱公館という
中華料理店で働いてもらっています。
なんと邱飯店のメニューは東京では味わえなくなりましたが、
北京に行けば、私の家に招待されなくとも、
自分たちでお金を出して
陶朱公館で味わうことができるようになったのです。


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