中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2276回
10人お客を集めて邱家魚翅はいかが?

我が家の家庭料理について書き出したからには
少々、自慢話を続けさせて下さい。
日本料理でもこの店の料理がどんなレベルのものか知りたかったら、
先ずお吸物を一口すすって見なさいと言われています。
中華料理についても、同じことが言えます。
おつゆの味を決定するのはダシであり、
ダシに対する心くばりによって
料理人の腕がわかってしまうからです。

スープの最高峯はもちろん、魚翅、つまり鱶のヒレのスープです。
中華料理で最も高価な料理は
鱶のヒレのスープとアワビ(鮑魚)の煮込みですが、
アワビはナマではなくて、
一回天日で干したものを水につけて戻して使います。
イカをスルメにするのと同じ原理ですが、
アワビを天日で干すとイノシン酸が出てきて旨みが乗ります。
その旨みがアワビの生命で、
広東人はアヒルの水かきと一緒にトロ味で
2日も3日もゆっくりした火で煮ます。
日本人はアヒルの水かきと言うと
びっくりして顔をそむける人もありますが、
色々食べ比べても、結局、
アヒルの水かきにまさるものはありません。
嘘と思ったら、福臨門の香港の本店に行って食べて見て下さい。
一度知ったらやめられなくなる味です。

私の家の魚翅(フカのヒレ)は
福臨門とはまた別のつくり方ですが、
台北の天厨菜館で習いました。
世界的に有名な中国画家張大千は台北滞在中、
このフカのヒレを注文すると
満足して1000元もチップをはずんだそうです。
私の家では一回に10人分を土鍋から溢れるくらいつくりますが、
北京三全公寓では一鍋2000元ですから、3万円もとられます。
しかも3日も前に注文しないとできてきませんので
ふだんは1人前200元くらいのでガマンして下さい。
それでも結構うまいものですが、
千金を惜しまない人は
一度はふところをはたいて見るのも悪くはありません。
但し、一卓10人のお客を集める必要がありますから
この方がもっと大へんかも知れません。


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