中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2293回
魚料理が出たらメニューはおしまいです

中華料理のメニューは大抵の場合、
前菜と言ってオルドーブルが先に出てきます。
前菜には冷たいのと熱いのとがあって、
少人数の場合は4皿、少し人数がふえれば6皿、
1卓10人か12人になると、8皿出てきます。
しかし、2、3人でメニューを決める場合、
前菜を省略してしまうこともあるし、
前菜のメニューを1皿か、2皿、
メイン・ディッシュの中に紛れ込ませても、
ルール違反ということはございません。

前菜の次にスープが出てきます。
スープで食道の通りをよくするためです。
しかし、うちのオニオン・スープのように
蒸しあがるのに時間がかかるスープは
最後の方になってから出てくることもあります。
また私の家のメニューのように
食べ終わるまでに2時間も3時間もかかってしまう場合は、
はじめの方とおしまいの方でスープを2回出すことがあります。
そして、そのあとに魚の料理が出て来たら、
今日のご馳走はそれでおしまいで、
あとは炒飯か、麺か、小籠包とデザートになります。
どうして魚が最後かと言いますと、
魚(イー)と余(イー)とは音が同じで、
さんざ散財をしておなかも一杯になったが、
まだ余りがありますよという縁起を担いで、
魚を最後に出すのです。

ところが、共産の天下になってからこの習慣が崩れ、
いまの若い人には
魚を最後に出す習慣さえ知らない人がふえました。
とりわけ台所は分業になっているので、
長い間のしきたりを忘れて、
できてきた料理から先に出す店が珍しくなくなりました。
西洋料理では魚から先に出して
メイン・ディッシュは肉になりますが、
中華は重い物から先に出して、
胃袋の中のスペースが少なくなってから
柔らかくて消化のいい魚を出してきます。
北京の陶朱公館では私の言いつけを守って
魚の料理が一番最後に出るようにしています。
どちらが合理的か、
皆さんも実際に味わって見て
納得が行くようでしたら、
したり顔で学のあるところをご披露になって下さい。


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