中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2316回
労働市場も国際的に相補う時代がきます

ヨーロッパで一足先にそういうことが起りましたが、
日本でも国が豊かになると、
失業と人手不足が同時に起るようになってしまいました。
先進国の失業者は失業保険に守られていますから、
色々と贅沢な仕事選びをやります。
ゴミの回収とか、高層ビルの鉄筋を組む工事とか、
病人の看護のような3Kに属する仕事は敬遠します。

しかし、3Kの仕事も仕事をやってくれる人がいないと、
大都会がゴミの山になってしまいますし、
社会がうまく機能しなくなります。
簡単な話、パン屋は焼き立てのパンを朝食に間に合わせるためには
職人が朝の3時に起きて仕事をはじめなければなりません。
3時と聞いただけで今の若者たちはたじろいでしまいます。
その点、ろくに職もなく、
食べるのにも困っている発展途上国の人たちなら
喜んでとびついてきます。
でも所得水準の違う貧乏国から
欲しいだけの人を入れるようになると、
先進国の人たちは仕事を奪われ、
ますます失業がふえるんじゃないかという心配があります。
また既に起っているように、
不法滞在がふえて犯罪が頻発するおそれもあります。
ましてやドイツのように
鉱山労働にトルコ人の労働者を入れすぎたために
移民処理に四苦八苦している前例もあります。
ですから、どこの先進国でも、
発展途上国からの入国にはきびしい制度を設けていますが、
日本もその例外ではありません。
でもそうも言っておられないときが必らずきます。
年寄りの面倒を見る人は既に不足していますが、
いま年寄りの面倒を見ている人が
そのうちに面倒を見てもらう方にまわるにきまっています。
またどこの農家の子弟も学校を卒業すると都会へでて
サラリーマンになってしまいますから、
地方の農家では跡継ぎがおりません。
農地は荒れるに任せると元に戻すだけでも大ヘンですから、
このまま放置しておくわけには行きません。
国際化の時代とは先進国の資本や技術が
発展途上国に移るというだけですむわけではありません。
相互に足りないことを相補うことが必らず起るのです。


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