中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2326回
成長企業に不況の風は吹いてきません

旅のスケジュールを変更して私は東京から香港にとび、
電車で深圳に入りました。
証券会社の総経理がホテルまで私たちを迎えに来られ、
その案内で東江環保の本社を訪れました。
董事長さんはまだ40代の若い人で
「これでやっとうちの株が高くなった謎がとけました。
日本の人たちが買っているようだと
証券会社から説明を受けましたが、
その意味がやっとわかりました」
と頷いていましたが、
政府筋がつくった汚水処理会社と違って、
自分で創業した廃棄物リサイクル会社ですから、
ゴミの山を見ると宝の山に見えるそうです。
同じ仕事をやっていても、
企業意欲のある創業者と
政府の役人が横すべりをした傭われ社長とでは、
物の見方から事業の展開の仕方まで
天と地ほどの違いがあることを改めて痛感させられました。

不思議なことに、この時をきっかけとして、
私の中国産業界を見る眼が一変してしまいました。
つい最近まで私は中国の一流会社の動向ばかりが目につき、
国の政策があたえる影響だとか、
為替相場や国際価格の変動がもたらす動きに
気をとられていましたが、
その分だけ中国の高度成長と消費市場の質的な変化によって
産業界の構造そのものが大きく変わることに無頓着だったようです。
そこへ偶然にも水処理からはじまって、
道路工事はどうなっているのか、都市ガスはどうなるのか、
また中国に武田製薬やエーザイのような
高収益の製薬会社がないのはどうしてかと
次々と疑問を投げかけて行くことになり、
二流株の成長が俄かに目の中にとびこんでくるようになったのです。

東江環保もその一つですが、
次に成長する二流株はたくさんあって、
まだ私たちの目につかない企業はいくらでもあります。
これらの企業はちゃんとして業績をあげるようになってから
まだ僅か3年しかたっておらず、
本格的な業績はこれからだということが
だんだんわかってきました。
そういう会社は社会的需要の伸びに支えられているので、
景気がどうだという話とはほとんど関係がありません。
注文をこなすことに精一杯で
どの経営者もあごを出しているのが現状です。


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