中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2370
思い通りに行かなかったら場所を変えよ

何事も思うように行かず、
イライラすることが人生にはよくあります。
そういう時はジッとこらえて
ガマンするのが一番だという考え方もあります。
時間がたてば自然に解決することが人生にはたくさんあるからです。
でもジッと待つのが苦手という人もあります。
私もその一人です。
ジッとしていても問題が解決するわけではありません。
そういう時、私は思い切って仕事を変えるなり、
仕事をやる場所を変えます。
駄目になってから仕事を探がすのではなくて、
駄目にならないうちに新しい仕事を探がしたり、
仕事場を変えたりするのです。

私は直木賞をもらい、小説家として出発しましたが、
3年あまりたつと、突然、株式評論家に変身してしまいました。
物書きは書いた物を人に読んでもらうショウバイですが、
「人は色話かお金の話にしか関心を持たないよ」
と永井荷風先生がおっしゃっていたのを
何かの本で読んだからです。
そのくらいのこと、私だって承知はしていましたが、
色話を書くにしても、経験不足だし、セックスに対して
特別ユニークな物の考え方を持ち合わせていないので、
とても渡辺淳一先生と競争などできるわけがありません。
その点、お金のことなら、東大の経済部も卒業しているし、
(こちらもお金とは関係ないか?)、
お金に困った経験なら人一倍やっているので、
ついこっちを選んでしまったのです。
すると、「お金儲けの神様」とか、
「株の神様」とか呼ばれるようにすぐなりました。

でも「株の神様」もすぐに株を卒業して、
一頃は東京だけでなく、
神戸や福岡や伊那にまで足を伸ばして
不動産屋の真似事をしましたが、
これもすぐに卒業して、台湾、アメリカ、香港、
そして、いまは中国大陸に場所を移して、
海外投資で新しい実験をくりかえしています。
こんなに移り気でいいのか、と人に言われても、
場所を変えるとまた元気が出て新しい仕事がはじまるのです。
ですから「思い通りに行かなかったら、先ず場所を変えろ」
と人にすすめたくなってしまうのです。


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2006年9月5日(火)

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