中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2498回
中国人は先進国の人をうまく使い切れない

中国がいつか
IT産業の大市場になることは間違いありません。
また中国の安い労働力と
台湾が急速にマスターした技術を使って、
やがて中国がパーツ・メーカーの最大手になることも
考えられないことではありません。
しかし、それだけ有利な条件を備えていても、
中国のパソコン・メーカーが
順調に業績をあげて行けるかどうかはまだ未知数です。

レノボがあせりにあせって、
とうとうIBMのパソコン部門を買収して
世界中をアッと驚かしたことはついこの間のことです。
中国人の間でも
「蛇が象を呑み込むような話だね」
と話題になりました。
どうしてそういうことになったかというと、
ご承知の通り中国の外貨準備が
遂に日本を追い越して世界のトップにおどり出したからです。
とりわけアメリカから
人民元の切り上げを強く要請されており、
中国政府としても、
傘下の企業に外貨を使わせることが
焦眉の急になっているのです。

それにしても、
台湾よりずっと見劣りのする中国大陸のパソコン・メーカーが
はたしてIBMの先端産業を買収して
うまく軌道に乗せることができるのだろうか、
と多くの人が首をかしげて見守っています。
もちろん、容易なことでないことは
当事者だってはじめからわかっていますが、
いまのところ、伝えきくところでは
かなり苦戦している様子。
一番難しいのは技術習得をすることではなくて、
人の使い方のようです。

働くことも、計画を建てることも、経営することも
中国人は先進国の人に劣りません。
しかし、1日15時間働いても平気な人が
働くことよりも休みを重視する先進国の人たちを
うまく使いきれないところに問題があるようです。
レノボの答えもまだ出ているわけではありませんが、
中国の企業が次から次へと
外国で資源の買収や企業の買収に乗り出しています。
これがあまりうまく行っていないようです。
ですから大型買収の話が出たら、
好材料と思ってすぐにとびつかず、
暫く様子を見る必要があります。


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2007年1月11日(木)

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