中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2621回
製薬業界の比較検討もして見て下さい

いま私は考察団に参加の皆さんと北京に集まって、
これから四川省の九寨溝の観光と
成都伊勢丹のオープニングに参列するために
成都に向うところです。
今回も成都のかくれた有望企業の見学に行きますが、
前回は山東省の山東羅欣と山東墨龍と山東威高という
山東づくめの3つの成長企業の見学に行きました。
私たちが見学に行った直後から
3社とも大へんな勢いで株価が上昇しているので、
同行した人たちも目を白黒させていますが、
自分の眼で現場を覗いた人たちが値段かまわず、
成り行きで買いを入れたからだと言われています。
実際、噂できくのと、
自分の目で見るのとは大違いで、
「百聞一見に如かず」
の思いを新たにしました。

先ず山東羅欣は小さな製薬会社ですが、
18年前に、薬のセールスをやっていた
いまの董事長さんの劉保起さんが
人民元2万元ではじめた製薬会社で、
国営事業ではありません。
お役所の持株が全体の1割くらいあって、
それをどう扱うかという問題は残っていますが、
基本的には民営主導の製薬会社です。
薬価はご承知のように政府が
この1、2年抑えにかかっているので、
どこの製薬会社も対応に苦慮していますが、
この会社は全国に強力な販売網を築いているので、
2006年も前年比、利益を62.93%伸ばしています。

いまは次期新工場の建築中ですが、
秋には稼動を開始し、
そのまた次の工場の用地買収も終えて、
次の設計にもかかっています。
「供給より需要がオーバーした状態で
ビジネスをやっているところです」
と董事長さんも説明しておりましたので、
過剰流動性があろうとなかろうと、
金利が上がろうと下がろうと、
そんなことと関係なしに、人々のふところ具合がよくなれば、
薬に対する需要は伸びるというのが私の見方です。
いまの株価が安いか高いかはご自分で判断して下さい。
ほかの製薬会社の株価の位置と比較してもよいし、
自分が息の長い人かどうかも考慮に入れる必要があります。


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2007年5月14日(月)

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