中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2631回
薬品株に陽が当る動き

私が製薬会社に目をつけたのは、
世の中が豊かになると、薬の売上げが爆発的にふえるのと、
俗に「薬九層倍」と言われてコストが低いために
売上に比して利益率が高いからですが、
中国の政府はこの1、2年大衆の負担を軽くするために
意図的に薬価を抑えにかかっています。
そのために売上げが伸びても利益が逆におちていますが、
そうした干渉にもめげず、
増収増益をくりかえしている会社は
投資家が最も注目する企業と見てよいでしょう。

そういった角度から色々調べて
わざわざ山東省まで羅欣という会社を訪ねて行ったのですが、
多くの投資家たちが私の見方に同調してくれたおかげで
同社の株価は見る見る値上がりをして
3倍にも5倍にもなってしまいました。
それに比べると、維奥生技の方は額面は低いし、
資本金も小さいけれど資本金の30倍もの積立金を持っていて、
1株当りの含み資産は何と株価よりも高いのです。
新興の成長会社の財務諸表を見ると、
積立金が資本金の2倍、3倍ていどが普通で、
30倍というのは滅多にありません。
(余談ですが、私の知っている限りでは、
配当を削りに削って積立金を最もたくさん積み上げているのは
中国石油香港の291倍です。)

問題はもちろん会社の含み資産よりは
本業の今後の成長発展です。
薬屋が政府の薬価政策との対応の中で
今後も急成長を続けるためには
販売システムの優劣が先ず物を言います。
その点で山東羅欣は断トツで東瑞は遅れをとっています。
しかし、堅実経営では東瑞も決して引けをとりませんから、
薬品業界の中から多くの成長会社が輩出することに
間違いはありません。
つい最近の薬品株の上昇ぶりを見てもおわかりの通りです。
そうしたなかで1株25セント(私が会社を訪問した前日の株価)
をどう見るかは皆さんのご判断に任せます。
先ず企業の資料を調べ、次に薬品業界、
更に証券市場の動向を考慮に入れていれば
間違いはないと思います。


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2007年5月24日(木)

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