中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2651回
株の買い方に変わりはありません

資産インフレになったら、株は大暴騰をすると言っても
息もつかずに大暴騰を続けるわけではありません。
大波小波に絶え間なく揺られながら、
自分からあわててとび下りない限り、
かなりの値上がりに恵まれるだろうということです。
ですから、売りたくなるのをガマンして、
粘りに粘ることが何よりも大切です。

しかし、いくら粘っても、
自分の持っている株が上がるとは限りません。
指数を見ると突然の高値になったとしても、
自分だけが貧乏籤をひくということもあり得るのです。
何しろ株には前後賞というのがありませんから、
すぐお隣りの株が大暴騰しても、
自分の持株が後ずさりをしたら、
資産インフレの恩恵を蒙ったことにはならないのです。

ではどんな株に投資するかというと、
揺れても、アップダウンしても
崩れおちない株ということになりますが、
それはどんな環境におかれても元気のいい株ということになります。
先ず「高い株ほどよくあがる」超一流株なら
沈没することは先ずないでしょう。
次は悪い環境におかれてもなお成長を続ける時代の寵児なら、
つまり毎年のように増収増益の見込まれる優良児なら、
下げてもすぐまた立ち直ります。
反対に既に過当競争の中におかれ、
人民元の値上がりによって不利な立場におかれる企業や
人件費の高騰によってコストダウンの困難になる企業は
減収減益に見舞われます。
そういう企業への投資は避けて、
増収増益企業に鞍替えをすることは、
実は資産インフレがなくとも、
投資家がふだんから気をつけなければならないことです。

ですから資産インフレの中で
投資家たちが気をつけなければならないことは、
資産インフレでなくても、
投資家が心くばりをしなければならないことなのです。
したがって高くなった株の後を追うような株の買い方でなくて、
安いうちに買うか、中だるみになった時に手に入れて、
あとはじっとガマンを続ければよいのです。
株で儲かるかどうかは
そうした要領を身につけることができるかどうかにかかっています。


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2007年6月13日(水)

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