中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2656回
「どこで渋滞しましたか」が挨拶言葉に

ではこれからの中国で何が起るのでしょうか。
資産インフレが避けられないことは間違いありませんが、
それより早く起るのは
交通が渋滞して出勤時間に遅れる人が続出することです。
マイカーを買う人がふえて、どこの道も車で溢れるようになるので、
身動きができなくなってしまいます。
電車やバスに乗るよりもタクシーを利用する人がふえるので、
上海あたりでは既にタクシーを拾うのは容易ではありません。
いくらタクシーに対する需要がふえても、
政府が個人タクシーを許可しないので、
タクシーを利用するのはますます絶望的になります。
多分、個人タクシーでは事故を起した時、
交渉能力でも弁償能力でも問題が多すぎるので、
政府が慎重になっているのだと思います。

したがってタクシーのふえるのをとびこえて
自家用車が急増することは目に見えていますが、
中国人は交通規制を守るよりも、割込みに熱心ですから、
事故を起す確率はふえる一方です。
すると交通事故はますますふえますから、
日常挨拶の言葉も変わることが考えられます。
かつて中国の挨拶言葉は
「吃飯了」(メシ食べましたか)でしたが、
一時期離婚がハヤった時は親しい友人間では
「まだ離婚しないのか」に変わったと言われています。
しかし、これからは
「どこで渋滞したの?」というのに変わることは
先ず絶対に間違いありません。

私は早とちりで、
10年も前にマンションを建てる時、
そうなることを予想して、一家に一台は必至と見て、
320台分もガレージをつくりましたが、
10年も無駄にしてしまいました。
私の株式投資にも
そういうせっかちなところがあると言われていますが、
早すぎるのも遅すぎるのと同じように人に嗤われてしまいます。
でも渋滞は既に毎日、起っていることですから、
北京や上海に住む人は渋滞を覚悟するか、
人と違う時間に出勤する仕事を探がすよりほかなくなると思います。





←前回記事へ

2007年6月18日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ