中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2716回
廃県置藩で陽は傾きかかっています

日本経済は成長するのをやめてしまったようです。
オトナの骨格になって、
もうこれ以上の成長は難しいところまで来てしまったと言っても
間違いではありません。
ところが、なかなかそれを承認できない人もあるし、
そんなバカなことがあるものかと反論する人さえあります。

でも栄枯盛衰は世の常です。
お月様だって満月になれば、やがて欠けはじめます。
バブルがはじけてからあとの日本を冷静な目でよく見て下さい。
少しずつ老化が進んでいます。
わいわい言って、それをお隣りのせいにする人がおりますが、
自分の姿を鏡に映して見ようともしない人たちです。
気がついて見たら新しくやることがなくなってしまって、
言っていることも同じことのくりかえしですし、
世間がそれを受けつけなくなると、
二代目、三代目に継がせる時代になってしまいました。
政治家、役者、学者、
みんな親の財産を子が継いで
おマンマにあずかる時代になってしまったのです。

新しい時代は新しい指導者が築きます。
古くなると、古い指導者の息子たちが後を継ぐようになります。
税制は金持ちのあとを息子たちにつがせないために
累進相続税を課しましたが、
政治家の票はカット無しで、
有能無能と拘りなしに息子や娘が後を継ぎます。
そのおかげで、気がついて見たら、
日本は世襲制政治家の国に戻ってしまいました。
明治維新の時には「廃藩置県」によって
日本が新しい国に生まれ変わりましたが、
高度成長の日本が終わると、
「廃県置藩」に逆戻りしはじめたのです。
殿様の息子は皆が皆、無能とは私も言いませんが、
いまの大臣たちのオヤジさんたちを私が一通り知っているだけに、
これで日本の国はやって行けるのだろうかと心配になります。
それでも徳川時代は300年も続いたのだから、
余計な心配はするなと言われるかも知れません。
でもこのままでは
「日本の時代はさようなら、
陽はかなり斜めまで傾いてきましたよ。」
と言いたくなりますね。


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2007年8月17日(金)

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