中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2738回
創意産業を上海でやりませんか

中国では若いデザイナーのような人がはじめる小さな店のことを
創意産業と呼んでいます。
私にも、はじめの頃は何のことかわかりませんでしたが、
古い工場を改造したり、
古い町並を保存して新しい町づくりをやっているところに
「創意」という言葉が使われています。
古い家を叩きこわして
新しいビルに建てなおすのが創意ではありません。
古い歴史と文化の匂いのするところをそのまま残して、
そこに新しいデザインを施して新しい町づくりをするのです。

その最もスケールが大きくて、
且つ最も成功した例が上海にある新天地です。
新天地は旧フランス租界あとに、
香港の開発業者がセンスのある一流建築家たちを動員して
わざわざ懐古趣味のある町づくりをしたものですが、
新しくつくりなおしたものですから、
厳密な意味で創意産業地区ではありません。
創意産業地区であるためには
古い町並みや工場の跡をそのまま遺す必要があります。

貧民窟のような古い建物は一切ぶっこわして
新しい町づくりをした方がいいか、
それとも古い町並みをそのまま遺して
歴史の匂いのする町にした方がいいかについては、
上海でも意見が2つに分れています。
私のように昔の上海に対してあこがれを抱いている人は、
金儲けのために次々と古い家をこわすのは仕方ないとしても、
残り少くなった昔の面影を偲ばせる町並みは
できれば上海市が中心になって
保存すべきところまで来てしまったなあと思っています。

私が上海で「異人街」の町づくりをしたいと言ったのは
古い上海の面影の漂う町に
創意工夫のある店をつくる人はいませんか
と呼びかけているのです。
1軒目が外国人のデザインした中国ファッションの店、
2軒目が雲南コーヒーの店、
3軒目がイタリア料理の店、
4軒目がアクセサリーのデザイナーの店、
このあとに続く日本人のデザイナーはいませんか。
いたら手をあげて下さい。
皆でお手伝い致します。


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2007年9月8日(土)

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