中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2776回
交通規制を全く守らない東北三省の人

ハバロフスクからハルビンまで戻ってくると、
中国の経済発展が中国全体の隅々まで及んでいることが
一目でわかります。
ウラジオストックでもハバロフスクでも、
人々は減価償却の終わった建物の中に住んでいて、
新しい建築現場を見かけることがありませんが、
一歩中国の領土に足を踏み入れると、
どこも高層建築が林立しているだけでなく、
新しいマンション群が次々と建てられているのにぶっつかります。

そういう意味ではモスクワを北京と比べることもできませんし、
ハバロフスクとハルビンを比べることもできません。
旧満州は既に21世紀に突入していますが、
シベリアはまだ19世紀から抜けきれないでいる
という印象を受けます。
けれどもロシアは石油資源の開発で味を占めましたから、
恐らくシベリアでも資源の開発が遠からずはじまるでしょう。
その場合、ロシアは中国を敬遠しますから
政府の首脳が急速に日本に近づくことが考えられます。
自動車産業の開発のために
プーチンがトヨタのトップを丁重に迎え入れたのを見ても、
これからどんなことが起るか予想ができます。

それでいて、
シベリアより大分、先を走っている中国の東北地方は
中国でもドン尻におかれています。
旧満州時代に日本人は日本のために
鉄道や重工業にまで力を入れましたが、
戦後は工業の開発がストップし、
若者たちは大学を卒業すると就職先がないために
故郷を離れて北京や上海に去ってしまいます。
旧満州は農業地帯というよりも、人間の生産をして移出しています。
その割には人間の訓練ができていないことは
交通信号を全く守らない人が多いのを見てもわかります。
赤信号でも車や人間は平気で自動車の前を横断するのです。
ハラハラしながらバスに乗っていましたが、
ロシアからの帰りにとうとうハルビンで
私たちの乗ったバスが自家用車の横っ腹にぶっつかって
危うく飛行機に乗り遅れるところでした。
どうなることかと心配していたら、
うちの添乗員が100元出して済ましたといって、
相手の車がさっさと走り去ってしまったのには、
私はもっとびっくりしました。


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2007年10月16日(火)

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