中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2797回
20年ぶりのトルコに行って見て

久しぶりにトルコとドバイを一走りしてきました。
前にトルコに行った時は
旅行社の組んだツアーに家族で参加したので、
トルコと言ってもイスタンブールに泊っただけで、
次の日はもうアテネにとんでいたので、
トプカプ宮殿の見事な中国陶器のコレクションと
ボスポラス海峡を遊覧船で一まわりしたのと、
グランド・バザーの中で絨毯を値切って買ったことくらいしか
印象に残っていません。
それでも西洋史で習った十字軍の遠征の光景が頭の中にあったので、
強い印象を受け、もう一度、行ってみたいと長い間、
思い続けていました。

とりわけ子供の頃に
トルコの建てなおしをやった
ケマル・パーシャの伝記を読んでいたのと、
その後、回教文化をどう見るべきなのか、
また同じ回教圏でも少数民族を多く抱えたトルコのような国は
どうやって民族間のバランスをとっているのか興味があって、
ずっと再訪する機会を狙っていました。

今回、世界一ホテル代が高いと言われる
ドバイの七つ星のバージュ・アル・アラブというホテルに
泊りに行くことになったので、
ついでに足を伸ばしてカッパ・ドキアの奇石の観光地と
ケマルがひらいたトルコの首都アンカラを一周してきました。
ちょうど100年も前の虐殺事件を非難するアメリカ議会の声明で
トルコが大使の召還までする険悪な時期でしたが、
そんな空気は一切感じられず、
トルコが20年前とほとんど変わりのない
過去の歴史と石ころを売り物にして生きていることに
大きな失望を覚えました。

トルコは日本がロシアと戦争して勝ったことに好意を持った
唯一の国だと中学生の頃に習ったことがありますが、
もうそれも遠い遠い昔の話。
EUへの加盟でヨーロッパの頭痛のタネになっていることは
しばしば新聞ダネになっていますが、
工業とほとんど縁がなく、
石ころとじゃが芋と魚でメシを食って行くのでは大へんだなあ
という印象だけが強く残ってしまいました。


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2007年11月6日(火)

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