中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2846回
お金の流れはニューヨークから上海へ

ドルがこのまま駄目になるという話ではありません。
ドルは世界中で通用する唯一の通貨だし、
世界中の国々が所有している通貨でもありますから、
ドルの下落については世界中から救済の手がさしのべられます。
ですからもう一度盛り返えして
夕焼空のようなまぶしい光りを放つことだって
何回もくりかえされます。

ただかつてのロンドンがニューヨークに移ったように、
世界を動かす金融の中心地が
ニューヨークから上海へ移る動きを
恐らく止めることはできないでしょう。

但し、次の統一の前に分裂の挟間があるのが歴史の常識ですから、
その前に三国志のような動きがあります。
アメリカ、アジア、ヨーロッパとか、
アメリカ、ヨーロッパ、アジア、ロシア、回教圏とか、
もしくは先進工業国、資源開発国、後進国といった
いくつかの分類が考えられます。
その中から次の世界をリードする富裕国が
誕生することになりますが、いまの勢いで行けば、
中国に集中する可能性はかなり大きいと言ってよいでしょう。

そうした場合、従来の国家観念を物差しとしたら、
恐らく拒否反応を示す人はかなり多い筈です。
しかし、そういう事実が誰の目にも明らかになった頃には
「国家」に対する先入観に大きな変化がある筈だし、
中国で生計を立て、事業体や巨億の富を築いている外国人も
うんとたくさんいるようになっていることが予想されます。
或る日、突然、そういうことが起るのではなくて、
「気がついて見たら上海がマンハッタンになっていた」
という流れの変化ですから、賛成も反対もないのです。
意識するか、意識しないかは別として、
気がついて見たら、自分もそこで働いていた、
財産もそこに持っていたということですから
小さな川の水を集めた流れが
いつの間にか揚子江になっていたということが
これから起ろうとしているのです。
ですから先入観で物を見るよりも、
お金の流れをじっと見て下さい。
自分はお金の流れていく方向について行けばいいのです。


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2007年12月25日(火)

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