中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2964回
1ドル4人民元時代を念頭に投資を

「中国経済の将来をどうごらんになっていますか」
という香港の週刊誌や大陸の新聞の質問に答えて、
「株は10倍、人民元は1ドルが4元ですね」
と答えたことがあります。
3年足らずで株は5倍、
人民元は8.3元対1ドルが7元を割るところまできました。
為替レートは
人民銀行がコントロールしているので、牛の歩みですが、
株は動きが激しいので
あっという間に6倍近くまでハネあがったのが、
サブプライム・ローンと人民元の切り上げによって
高値から逆に4割も下げてしまいました。

でもこの調子で推移すれば、
いずれ目標の水準まで到達するでしょうから、
私は自分の見方を訂正する気はありませんが、
その代わりそれなりの時間がかかる覚悟はしています。
円の場合も1ドル200円のあたりをうろついていた頃に、
「いずれ1ドルが100円」と言って
外国為替のプロの人たちから嗤われましたが、
最終的には私の言う通りになりました。
但し、そうなるまでに9年かかっています。

人民元にしても1ドル4元まで切り上げになると
私は思っていますが、それがいつになるかは私にもわかりません。
私にとって大切なことはどの方向に向っているかということで、
それが産業界の動きに大きな影響をあたえ、
株価を大きく変えてしまうからです。
たとえばもし日本の企業が円の将来に無頓着で
アメリカが最大のお客だから、
アメリカ向けの商売だけにかじりついていたら、
今日のようなドル安の影響をまともに受けて
社運を傾けている筈です。
意識的にそうしたドル対策をしなかったとしても
アジアの方に向きなおって
気がついて見たらアジア向けが50%、
アメリカ向けが20%と輸出先を大きく変えていたからこそ、
いまこうして一息つけているのです。

それと同じ方向転換を中国がやらなければならない時代が
必らず来ると考える必要があります。
やがて1ドル4元の時代が来ることは避けられないとすれば、
それによって淘汰される中国企業の株は
いまから避けて通るに越したことはありません。


←前回記事へ

2008年4月21日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ