中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3000回
日本人に出稼ぎの番が廻ってきました

日本の地方財政がピンチにおちいっていることが
だんだん明るみに出てきました。
大阪府でさえも、知事が変わると
いままでかくしていたことがかくしきれなくなるのですから、
もっと貧しい地方自治団体がどんな実情にあるかは
誰にでも想像ができます。

地方の市町村の選挙に出たいような人は、
その地方しか視界にない人ですから
地方でいい顔になりたいということしか念頭にありません。
自分たちの住んでいる地域しか見えないのですから、
よその話をしても頭の中に入って来ないのです。
でも本当の話、お金も寄って来ないようなところでは、
どんなにひっくりかえしてもお金にはならないのです。

日本の場合は、敗戦後の或る時期、
勤勉で手先の器用な日本人を使って
付加価値づくりが可能だったので、世界のお金が集まってきました。
しかし、日本人の賃金が上がりすぎたのと、
日本円が高くなりすぎて、
物をつくっても採算に合わないことが誰にでもわかるようになると、
お金の方が日本を敬遠してだんだん寄りつかなくなりました。
日本人の身についた付加価値づくりの条件は
まだ日本人の中に生きているのですが、
お金の方が寄りつかなくなったのでは、
折角の身についた財産を生かしきれなくなります。
大都会はまだいいのですが、
工業の立地条件の劣った地方では次々と工場が閉鎖されるので、
仕事をやりたくともその能力を発揮する場所がありません。
地方自治団体がいくら頑張っても、
その地方で人にメシを食べさせることが
できなくなってしまうのです。

ですから地方に生まれ、地方に育った人は
1日も早く自分の生まれ故郷に見切りをつける必要があります。
かつてはタイやフィリピンの人が外国に出稼ぎに行きましたが、
これからは金持ちの国から
所得水準の低い国に出稼ぎに行く時代になったのです。
雇われに行くのではありません。
日本人の特長を生かして
できれば一国一城の主をめざすのです。


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2008年5月27日(火)

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