中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3012回
外国に新しい仕事を見つけに行こう

少し前までは所得水準の低い国から
所得水準の高い国に出稼ぎに行くのが常識でした。
所得水準の高い国の人は
自分たちで付加価値をつくり出すことができたので、
分け前が高いのは当り前でしたが、
所得水準の低い国の人は下働きしかできないので、
そういう国に行って下働きをして
その分け前にあずかるのが精一杯だったのです。

ところが、日本が先ず工業化に成功して
付加価値を次々と生み出すようになると、
日本人の所得水準は見る見る向上しましたが、
日本人は低所得国から働きに来る人の入国を制限したので、
人手不足を起しただけでなく、労賃が急騰したので、
円高になったのと相俟って、
製品のコスト高に悩まされるようになりました。
工業の生産基地は日本から台湾、韓国に移り、
続いて中国が「世界の工場」への道を
ひた走りに走るようになりました。
中国は日本と違って、資本の進出も技術の進出も
さしたる制限も加えずに受け入れたので、
経済の成長にスピードがかかり、
あッという間に外貨準備高世界一の国になったことは
皆さん、ごらんになっている通りです。

そうなると、おかやきも手伝って
中国の挫折を予言する声が日本では日増しに大きくなっていますが、
本当は中国経済の発展するプロセスで日本企業のはたすべき役割も、
日本人が活躍できる舞台もかなりたくさんあります。
中国人は回教及び回教徒だってあれだけたくさん、
それこそ沿岸地域にまで受け入れているのですから、
排他的な民族ではありません。
唐詩選に歌われているように、
1000年も昔からアラブの人さえ受け入れているのですから
日本人に対して人種偏見なんて持っていないのです。
ですから日本人の働く余地さえあれば、
日本人が中国で財をなすことに対する障害はほとんどないのです。
それなのに自分でそういうチャンスを見つけに行く代わりに、
自分の国から一歩も出ないで中国の悪口を言っている人が
どうして日本にはこんなにも多いのでしょうか。


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2008年6月8日(日)

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