中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3187回
国民党より悪質な民進党の汚職が次々と

中国の諺に「陞官発財」(役人として出世すればお金が儲かる)
という文句があります。
役人とは国を支配する人のことですから、
地位があがればあがるほど、お金を持って来てくれる人が
ふえてお金持ちになるというのが中国人の常識なんです。

これは秦朝時代の中国に限りません。
共産中国でも現にそういうことが次々と起っているし、
民主化した台湾でも同じです。
民進党になってから一変したかというと、
民進党は国民政府について大陸から渡ってきた国民党は
汚職専門だと猛烈に攻撃しましたが、
自分たちが政権をとって権力の座につくと、
もっとひどいことを次から次へとやるようになったのです。
そのトップをつとめたのが陳水扁夫妻、
とりわけファーストレディだった呉淑珍です。

陳夫妻は共に台南の田舎の貧しい家の出身ですから、
お金にガツガツして育っています。
それが権力の座につくと、
周囲がほっておいてくれませんから、
次から次へとプレゼントや商品券が届きます。
天下の第一夫人は有名ブランドの高価な衣料品や
アクセサリーが届くとすぐ店に持って行って
返品をして現金を持って帰ります。
その返品が9回目になった時、
世界的に有名なブランドのマネージャーが
遂に堪忍袋の緒を切らして
「あと一回だけは返品に応じますが、あとはすみませんが・・・」
と断った話が私の耳にまで届きました。

また商品券が山のように積まれたので、
1割引で身近な人たちに売るようになり、
たまたま私の甥のヨメがその商品券を買ったのを
新聞が私の名前まで出して報じたことがあります。
これは只事じゃないぞとさすがの私も肌寒い思いをしましたが、
まさかそれが知人たちから領収書を集めて
国家の機密費まで払いだすことから、
政府の土地の買収に割り込んで何億元ものお金を受け取り、
何人かの手でクリーニングをして
スイスの銀行に送金するところまで
発展するとは思いも及びませんでした。
「これも台湾を愛するからだ」と
本人は独立運動の資金にすりかえていますが、
私のように独立運動の先陣を切って
国のお尋ね者になった大先輩にして見ると
泣いていいのか笑っていいのか
わからなくなってしまいます。


←前回記事へ

2008年11月30日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ