中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3219回
ことしはアジアにも通り雨が

新年おめでとうございます。
昨年8月の北京オリンピックを一つのくぎりとして
中国でも新しい時代がはじまると私は言いましたが、
世界的な金融不安のおとしている影は意外に色濃く、
日本でこれからはじまる実物経済の不振は
かなり大きなものになりそうです。

ちょうど半導体の発見発明以来
もたらされ成長した情報産業がほぼ頭打ちになっているところへ
不景気による自動車産業の不振が重なったので、
アメリカ経済はかつてないピンチに突入しはじめています。
かつてアメリカがゴホンとやれば
肺炎になると言われた日本でしたが、
この10年に輸出の対象をアメリカから
中国を中心としたアジアにかなり大きく移したので、
それでも肺炎にこそならなくとも
かなりの高熱に見舞われることは避けられそうもありません。
はたしてどの程度の症状ですむかは
これからごらんいただくことになります。

中国の場合も、私は
「年が明けたら株価の動きが
ニューヨーク取引所と違った動きになります」と予想しましたが、
アメリカの不況から受ける輸出の不振や
それが国内産業にあたえる衝撃を
北京政府は私たちよりずっと深刻に受けとめ、
成長経済はじまって以来の大きなピンチとして、
4兆元(60兆円)の対策費まで計上して身構えています。

日本のように行きあたりばったりの予算を組んで
お小遣いのバラまきでお茶を濁しているのとはわけが違いますから、
どちらが傷が浅くてすむかは今年一杯かければ、
答が出てくるのではないでしょうか。
だから日本は行き詰まると言っているわけではありません。
政府に頼らない人の多い中国で
政府が積極的な対策に乗り出して、
何でも政府にやってもらいたがる人の多い日本で
政府が何もやらない結果はどうなるか、
今年一杯でかなりはっきりした答が出て来そうです。
中国人はもう少し政府に期待してもよいし、
反対に日本人はもう少し自分たちの生きる道を
自分たちで探がす必要があるのではないでしょうか。
ことし1年で
かなりはっきりした答が出てくるのではないでしょうか。


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2009年1月1日(木)

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