中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3228
大型スーパーの海外大移動がはじまる

実物経済の落ち込みは、中国でも多少はありますが、
日本ではかなり深刻なものになりそうです。
世界的金融不安から来るものもありますが、
金融不安が起らなかったとしても
成熟化社会がしぜんにもたらす次のステップだと私は見ています。

豊かになった社会で、人々が慾しいものを買い続ければ、
20年もたてば慾しいものはほとんど手に入ってしまいます。
家の中だって次から次へと物を持ち込んで来れば、
どこも役に立たないもので一杯になってしまいます。
毎日、スーパーやデパートに行って
飽きもせずにまた仕込んで来られるのは
食べ物くらいじゃないでしょうか。
ですから景気がそんなに悪くなく、
物を買うだけのお金を持っていても、
購買力はしぜんに衰えはじめるのが
成熟社会の特徴の一つだと思います。

そういうところへ
財産の目減りをきたすような株安や不況が押し寄せれば、
最先に起るのは財布の紐をしめにかかることです。
デパートも只でさえお客が減っているのに、
収入が減ったり、失業がふえたりすれば客足は更に遠のきます。
この傾向は大都会より地方都市の方が深刻ですから、
駅前の商店街がシャッター通りになるだけでなく、
最も大きな影響を受けるのが
地方にある大型ショッピング・センターです。

工場が地方都市から海外に移ったのを契機として一時期、
空地を利用したショッピング・センターづくりが
大型スーパーに好景気をもたらしましたが、
そういうところに入居したデパートは
中途解約をするようになったし、
専門店の店じまいも続いています。
もともと利益率の低いスーパーで家賃収入とカードの収入が減れば、
採算の悪化は目に見えています。
そこへ更に
休日に自家用車を運転してショッピング・センターに行くよりも
近所のコンビニで食品の仕入れはすませちゃえ
という家庭がふえれば、
弱り目に祟り目ということが起ります。
いよいよスーパーの海外大移動が起るところまで
来てしまったのです。


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2009年1月10日(土)

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