中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3293回
ベトナム株の情報網はこれからです

私は日本株や中国株のことなら
多少の予備知識を持っていますが、
ベトナム株については
ごく初歩的な知識すら持っていません。
それなのにどうしてベトナムに
証券会社をつくる気を起したかというと、
それが機縁になって
ベトナム株を勉強することもあるだろうし、
多くの人に新しい投資の道をひらいてあげることにも
なるだろうと思ったからです。

そもそも株で儲けたかったら、
証券会社をつくる必要なんかありません。
もう半世紀も前のことですが、
私が兜町に出入りするようになって
何人かの中小証券の社長さんたちと
つきあうようになりましたが、
何年かするとその中の1人が
会社ごと銀行に身売りして隠居しました。
それこそ丁稚小僧から叩き上げて
小さいながらも一国一城の主になった人ですが、
一生かかってつくりあげた会社の売値をきいて見ると、
私が2、3年兜町に出入りして稼いだお金よりも
少ない金額でしかありませんでした。

その後、日本経済は大成長をして4大証券を先頭に
証券会社は銀行と肩を並べるスケールになりましたが、
中小証券さえ社長の手にあまるようになり、
会社ごと人手に渡っただけでなく、
倒産したり、身売りをすることがくりかえされています。
ですから株で一山当てたかったら、
何も証券会社なんかつくる必要はないし、
証券会社の株で儲けたかったら、
上場している証券会社の株を
(たとえばいま香港に上場されているいくつかの証券会社の株を)
安値の時に仕入れて値上がりを待っておればいいのです。

私の場合は、
37年前に台湾の政府と妥協して台湾に渡った時に、
証券会社と経済雑誌をつくりましたが、
証券管理委員会にしつこく干渉されて
すっかり厭気がさして会社ごと売ってしまい、
もう一方の経済雑誌は台湾一のスケールに成長し、
もうかれこれ30何年も台湾の四季報を発行し続けていますが、
活字に愛想をつかした私の方が隠退してしまいました。
でも証券会社をつくったことが
情報網を築くきっかけになっていますから、
ベトナムでもそのうちに株式投資の情報網が
できあがることになるのではないでしょうか。


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2009年3月16日(月)

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