中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3419回
中国で不動産投資をする人は

中国のマンションは
日本人が考えるような土地の上に建った不動産ではなくて、
建物メーカーが国から借りた土地の上に建てた工業製品です。
土地さえあれば、いくらでも生産される居住用の建物なのです。
ですから土地の稀少性は失われ、
いくらでも次々とできてくる工業製品であると思う必要があります。
もし建てる場所がなくなったら、
古い建物をこわして新しく建て直せば、
政府の裁量ひとつでいくらでも大きくすることができるのです。

もちろん、実際には所有者が分散され、
その同意がなければ建て変えはできませんから、
一度決まったロケーションを動かすことは容易ではありません。
従って不動産の値打ちを決めるのは
どんなロケーションにおかれているかということです。
私が「不動産は一にロケーション、
二にロケーション、三にもロケーション」と言うのは
それが不動産の持って生まれた宿命だからです。

中国でもこのことは日本と変わりはありません。
そして、もう一つ不動産の価値を決めるのは
どんな目的に使う不動産であるかということです。
いま不動産で一番たくさん建てられているのは住居用の不動産、
つまりマンションです。
マンションはいくらでも次から次へと建ちます。
しかし、住む人は
他人の所有するマンションを賃借りして住むよりも、
多少でも余裕があれば、
自分で所有しているマンションに住みたがります。
従ってマンションはいくらでもふえる方向にあり、
賃料はふえた分だけ値下がりする方向に向います。
日本でもそうですが、
マンションはよほどのロケーションにおかれていない限り、
古くなると値下がりするのが常識です。
その点、店舗とかオフィスはロケーションが決定しますから、
人の流れが大きく変わるのでない限り、
値打ちがなくなる心配はありません。
ロケーションが最重要なことは、
東京でもニューヨークでも、
そして北京や上海でも変わりはありません。
中国に行って不動産投資をする人は
このことをしっかり頭の中に入れておく必要があります。


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2009年7月20日(月)

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