中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3472回
海水の淡水化工場の見学に行きました

シンガポールにオリビア・ラムという女社長がつくった
ハイフラックスという水処理会社があることは
日本の新聞や雑誌でもしばしば報道されています。
シンガポールは淡路島くらいの大きさのところに
450万人もの人が住んでいますが、
必要な水はほとんどお隣りのマレーシアから提供を受けています。
マレーシアは別の国ですから、
万一、揉めごとでも起って水の供給をさしとめられたら、
忽ちお手上げです。

香港もかつては大陸と似たような立場におかれていました。
私が香港に住んでいた若い頃は給水時間があって、
必要な水をバスタブに貯めて
その水を炊事にも使ったことがありますが、
香港が中国に返還されてからは
そうした心配も解消されてしまいました。
その点、シンガポールは将来といえども同じ心配が残りますから、
万一に備えて対策をとる必要に迫られているのです。
ハイフラックスはそうしたシンガポールの弱点に目をつけて
今から20年前に創業した会社ですが、
2001年にシンガポール証券取引所に上場されています。

この会社が2005年に海水を淡水に変える設備を
日本の技術を導入して稼働させています。
その後、北アフリカのアルジェリアでも、
また最近は天津市でも同じ設備に着手し、
天津では来年には完成の見込みになっています。
そういう話を耳にしていたので、
どうしても現場を一度見てみたかったのです。
ほかの観光施設には目もくれなかった私ですが、
ジュロンの工業団地を横断して
マレー半島と向いあった海水の処理場についた時は
少しばかり緊張していました。

というのも、同社は天津だけでなく、
中国の49ヵ所から声がかかって
各地で仕事にとりかかっていると説明を受けていたからです。
中国の水処理事業に関心を持って
わざわざ中国水務の作業現場まで行った私にとって、
ここはよく見ておく必要があると思っていたのです。


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2009年9月11日(金)

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