中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3489回
供給が需要に追いつかないのが成長株です

株を買うなら成長株に限ると私は言いましたが、
ではどんな株を成長株というのでしょうか。
一口で言えば、
供給が長期にわたって需要に追いつかない企業のことです。

日本の場合、一番息の長かった成長株は多分、不動産でしょう。
不動産そのものは株ではなくて、
土地建物といった現物ですが、
建物の建つ土地は造成はできても
生産のできないものでしたから、数に限りがあります。
それに対して経済が発展をはじめると
富は次々と生み出されるので、
付加価値をつけてつくり出した富を売って
手に入れたお金で不動産を買いにまわりました。
供給が有限で買う方ががドンドンふえて行ったので、
土地とか建物は際限もなく上昇を続け、
高度成長が続いている限り、
土地神話は崩壊することを知らなかったのです。

土地神話が続いている限り、
不動産は成長株の仲間入りをしましたが、
不動産を商品として加工したり売買する不動産会社は
必ずしも成長株ではありませんでした。
土地や建物の売買をする会社はしばしば、
景気不景気の読み違いをして不渡りを出し、
破産をしたり身売りをしたりして株式市場から姿を消したので、
高度成長の時代においてさえ危い株の仲間に入りました。
ですから今日まで生き残った不動産株の中には
成長株を代表するような株価の高い株もありますが、
全部が全部、成長株だということはありません。

それに比べると、新しく世に出た工業製品の中には
消費者が欲しがっているにも拘らず
生産が間に合わないものもあれば、
需要は増大するのに供給が間に合わないために
値上がりの続く天然資源のようなものもあります。
一頃の自動車メーカーがその位置にありましたし、
石油はガソリンだけでなく、
石油を原料とする化学産業の発達によって
掘っても掘っても需要に間に合わない状態が続いています。
これらの産業に従事する企業や企業の持主が
世界の金持ちにランキングされていることは
子供でも知っています。
需給のバランスが今後もとれない産業が
その時代の成長産業になるのです。


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2009年9月28日(月)

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