中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3514回
第二の足利時代が終る所でしょうか

日本でもつい半世紀前に役人だった人たちが
次々と選挙に出て大臣になり、
日本の国を隆盛に導いた時代がありました。
どうしてかというと、軍人と役人と財閥の中で、
軍人と財閥のトップがパージにあい、
役人あがりでまだ頭角を現わしていなかった人たちの中から
選挙に打って出ることしかできなかったからです。

もうそうした日本の成長経済は過ぎ去ってしまったし、
その時代を生きてきた人たちもあらかた死んでしまいました。
そのあとをついだ2代目3代目が自民党を潰しましたが、
潰しにまわった民主党も、自民党がポヤポヤしている間に
予算編成の実力を握った次代の役人を
目の敵にする方にまわってしまいました。
どう考えても自分の味方にしなければならない社員たちを
仇敵扱いして社内の意見統一ができるわけがないのに、
社長以下の取締役会が公然と社員追放を宣言しているので、
政府の行先に不安を覚えないでいられる人があるのでしょうか。

「栄枯盛衰は世の常」なのだからいいじゃないか、
次に栄えるのはお隣りの国で、
日本の時代はもう終わったのだよ、と言われて
それでおしまいでもかまいませんが、
これから毎晩、「春高楼の花の宴」ばかり
歌い続けるのは敵わないという人もあるでしょう。
そういう人たちは
自分たちが2代目、3代目の政治家を押しのけて選挙に出るか、
でなければ役人の中からすぐれた人材を探がし出して来て、
かつて日本経済の黄金時代を演出したように、
アジアの時代の音頭のとれる
「第二の黄金時代」を築くことにしたらどうでしょうか。

さもないと、相撲界のように
日本相撲協会がいつの間にか大日本国際相撲協会になって、
横綱をはじめ三役はほとんどが外国人になってしまうことは
避けられなくなります。
2代目、3代目の殿様よりは、
城代家老をつとめた人の方が
戦国時代をうまく乗り切れると思いませんか。
第二の戦国時代はまだはじまったばかりですが、
誰が天下をとるかは
まだ五里霧中と言ったところじゃないでしょうか。


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2009年10月23日(金)

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