中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3529回
政府の借金の清算は最終的にインフレで?

日本の年金制度はご承知のように、
自分が若い時に払い込んだお金に
利子をつけて返えしてくれる制度ではなくて、
その時々の時点で年金を払い込んだ人のお金を、
その時点で年金をもらえる資格に達した人がもらう制度ですから、
若い人が多くて老人が少い間は払う資金に困りませんが、
払い込む人が減って貰う人がふえると、
たちまち成り立たなくなってしまいます。

その上、年金の運用をするのは利殖の道にたけた
ウォーレン・バフェットのような人ではなくて、
只のお役人さんですから、お金がふえるどころか、
その逆になる可能性が強いということになります。
現に昨今のような世界的な金融不安に見舞われると、
プロの運営する投資会社だって大赤字なんですから、
マイナスになることは目に見えています。

何十年も前に家族会社をつくった時、
会社は従業員のために厚生年金に加入しましたが、
私と家内だけは加入しませんでした。
年をとっても年金が貰えないことがはじめからわかっていたら、
年をとっても困らないように自分の尻を叩くだろうと
自分に言いきかせたのです。
そのおかげで普通のサラリーマンよりは
ましな老後が送れる環境におかれるようになりましたが、
うちの家内に言わせると、
「あなたって何てあわて者でしょう。
年金が貰えなくなるのはうちの子供たちの時代で、
私たちの生きている間はまだ大丈夫なんですよ」
というのが実際に起っていることです。

しかし、年金を扱う政府のやり方も出鱈目でしたから、
既に問題は政治問題化しています。
あとの処理については、
政府が責任を持ってくれるだとうと
大抵の人は安心していますが、
最終的には税金で賄うとしても、
その財源はどこからと言うことになると、
政府が先に借金をして払ったとしても、
それによって生じた公債は
お金の値打ちを10分の1くらいまでおとして
ツーペーにする以外に妙案はないのではないでしょうか。
ほかに妙案があったら、ぜひ教示いただきたいものです。


←前回記事へ

2009年11月7日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ