中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3551回
飲料ブームの先を見越して漢方の勉強に

中国人も将来、
日本人に負けずコーヒーを飲むようになるだろうと言っても、
私が中国に行くようになった今から20年前は、
上海や北京でもコーヒーを飲む中国人は
ほんの僅かしかいませんでした。
上海の昼弁当代が7元くらいだった時に、
ガーデン・ホテルの1階にあるコーヒーショップで出すコーヒーは
1杯でサービス料15%込み57.5元でしたから、
これでは飲みたくても、
中国人の収入でコーヒーが飲めるわけがありません。
私はあわて者ですから、中国人がポケット・マネーで
コーヒー代を払えるようになってからのことを
頭に入れていたのです。

しかし、経済成長がはじまれば、
あまり遠くない将来に必らずその日が来ると
私は確信していました。
ただ中国はお茶の国で、お茶の歴史が長いですから、
飲料の中でもお茶のブームの方が
一足先に来るかも知れないという予感はありました。
どうしてかというと、コカコーラとペプシコーラの方が
一足先に中国に上陸していて、
マクドナルドとケンタッキー・フライド・チキンと一緒に
若者共に行列をさせている光景が既に現われていたからです。
コカコーラが中国伝来の飲み物に注目して
中国のお茶を色々研究している噂をあちこちで耳にしていたのです。

日本ではお茶というと茶の葉からつくった飲み物のことで、
ハーブ・ティはヨーロッパの物と思い込んでいます。
実際にはお湯を注いで溶かした飲み物は中国では全部、
茶と呼び、漢方の薬草はもとよりのこと、
ハーブ茶の大半も中国から欧米に伝来したものです。
ですから中国には風邪や熱に効くお茶もあれば、
高血圧や便秘に効くさまざまのお茶があります。
ここしばらく日本では飲料がブームになって
南米輸入のお茶までが受け入れられていますが、
それなら漢方の何百種もある薬用飲料の中に
新商品のヒントがあるかも知れないからと考えて、
中国で野菜を日本に輸入している会社の日本人の総経理と
ハナマサの社長さんを誘って
成都の巨大な漢方市場の見学に行ったのです。


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2009年11月29日(日)

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