中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3577回
株価の戻り具合から見て来年は?

ことしもいよいよ年の瀬になりました。
過ぎた1年をふりかえって見ると、
金融不安のさなかで株をやっている人たちは
どうなるかと固唾を飲むような毎日でしたが、
過ぎて見ると、安値で株を買うまたとないチャンスでした。
「100年に一度のピンチは100年に一度のチャンス」
と私は書きましたが、
怖がらずに安値で株を拾った人は
かなりいい思いをしたことになります。

もちろん、これは中国株に限った話で、
日本株は不況と円高の挟み討ちにあって株価が恢復するどころか、
お金が逃げ支度をしているところです。
中国の場合は被害の受け方が比較的浅く、
政府の政策も素早かったので、
どうやら8%の成長目標は
達成できそうなところまでこぎつけているようです。

株価は実態経済の動きよりあわて者で、
将来を見透した動きをしますから、
株価を見れば景気の先行きを予想できます。
「株は安い時に仕入れるものだ」と言いますが、
先行き不透明な中でそれをやるのにはかなりの勇気が要ります。
私は株価が大暴落する中でも
下値にそれこそ1セント(高値株は1ドル)刻みに
買いを入れましたが、
入れただけ取引が成り立つと却って自分の懐具合が心配になります。

しかし、それも3月をすぎる頃になると、
1週間たっても指値した株がさっぱり手に入らないようになり、
下押しをする力が次第にうすれて行くのが
実感されるようになりました。
日本株はもちろんのこと、
ニューヨーク株も一向に立ち直る気勢を見せていませんが、
中国株だけが年半ばをすぎると、
上げ調子を見せるようになったのです。
この趨勢が年末まで続けば、
来年は本格的な景気恢復が見られるようになると思って見ていると、
年末が近づくにつれて
株価が一段と高値まで買われるようになりました。
政府の発表する輸出入の数字も
それを裏づけるようになっているので、
この調子なら、来年は中国経済に限ってかなり明るいのではないかと
胸を撫でおろしているところです。


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2009年12月25日(金)

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