中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3644回
渋谷や新宿にもシャッター通りが

生命取りになるのは
デパートの買収にかかったスーパーだけではありません。
世の中が変われば、デパートだって、スーパーだって
商売がやって行けなくなります。

つい最近も有楽町の西武百貨店が閉鎖すると発表されていますが、
スーパーが経営するデパートだけが
閉館に追い込まれているわけではありません。
時代が変わると
長く続いてきた日本を代表するデパートやスーパーも
やって行けなくなって合併したり、身売りをしたり、
閉鎖に追い込まれます。
戦後新しくはじまった
スーパーやディスカウント・ハウスや安売り電気屋でさえも、
倒産、閉店、合併のくりかえしになります。

三越と伊勢丹の合併や
キリンとサントリーの合併話を見てもわかるように、
日本を代表する大企業でさえも
単純では生き延びて行けないという危機感に見舞われて、
業界の再編制がはじまります。
ましてや群小企業はデフレが長期化する様相を帯びてくると、
事業を続けて行く自信を失ってしまいます。
ずっと成長を続けてきた産業界は
成長をストップしただけでも倒産の危機に曝されるのに、
デフレの長期化が定着すれば、
無事に閉店できたらほっと胸を撫でおろすことになるでしょう。

いまはデパートでさえ大安売りを長期化することによって
滞貨の一掃に励んでいる最中ですが、
いつまでも安売りを続けているわけには行きません。
デパートの売り上げを
ユニクロやアウトレットにさらわれたとしたら、
ユニクロやアウトレットが
百貨店と入れかわるようになるのでしょうか。
はっきりしていることは
このままデフレが続くと、
デパートやスーパーや安売り屋の閉店が更に続いて、
渋谷や新宿にもシャッター通りができるだろうということです。
それは戦争直後の日本にもなかった現象ですが、
かつてなかった現象が日本にも起る可能性が出てきたのです。


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2010年3月2日(火)

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