中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3658回
5万円が10億円になる株式投資も

私がどうして成長株にこだわるかというと、
戦後、日本を代表する成長株は
皆さんもご承知の通りソニーと本田です。
たまたまソニーの盛田昭夫さんと
本田の本田宗一郎さんとは個人的にも交際があり、
お2人とも私の家の食事のお客でもありました。
いずれも小さな会社からはじまって、
いまなお日本を代表する大会社として
株価も高値を維持しています。

私とは全く関係のないことですが、
ソニーがまだ東通工という会社であった頃、
劇作家の飯沢匡さんと盛田昭夫さんは親しかったので、
「オイ、うちの株を持たんか」という話になり、
飯沢さんが5万円出して東通工の株を1000株買ったそうです。
それがソニーと改名して次々と増資して
今日のような世界的な大会社になったのですが、
友達の誼みもあって飯沢さんは増資に増資を重ねても
只の1株も処分せず、
死ぬまでずっとソニーの株を持ち続けました。
そうしたら5万円が10億円になったと
人づてにきいたことがあります。
「大したものだ、だから株を持つなら成長株に限る」
と言うことになりますが、
本人は折角の大財産をそっくり残して死んだのですから、
実は持っていなかったとの同じことになります。
従って羨しがるほどのことではありませんが、
株をやって一儲けしようと考えている凡百の人たちにとっては
心穏やかならぬ話であります。

ですからどうせ投資をするのなら、
第2のソニー、第2の本田はないかということになります。
世の中は次から次へと変化して行くのですから、
必らず第2のソニー、第2の本田が現われます。
それを狙えば、同じことにめぐりあえます。
現に私だって中国株を買う時に値上がりしたら
すぐに売ってお金に換えるより、
もしかしてジッと持っていたら、
第2のソニー、第2の本田になるのでは、
とひそかに期待して株を買います。
実際には倍になればもういいやという株もあれば、
3倍になればボロ儲けだ
という株に出あえば好運と言っていいでしょう。
でもどんな時も肌身離さず持ち歩いているのは
成長株探がしの物差しです。


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2010年3月16日(火)

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