中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3668
「中国ゴールドラッシュを狙え」を読んで下さい

最近の中国を知る上で、もう1冊是非読んでいただきたいのは
財部誠一さんの「中国ゴールドラッシュを狙え」(新潮社刊)です。
中国経済の発展に対して
否定的な議論を展開している本が圧倒的に多かったのは、
そうした本なら読む人が多かったからでしょうが、
私のように中国に在住する時間が
日本にいるより多くなった人間から見ると、
何とも奇怪な現象でした。

かと言って、インド、ロシア、ブラジルと並べて
世界の中進国が一せいに高度成長をすると、
数字だけ見て予言するアメリカ式の発想も、
私のように実際に視察団まで組織して
現地に足を踏み入れた者にとっては妄想でしかありません。
スズキの小型車と牛が一緒になって
高速道路をうろついているインドと、
男たちが朝から酔っ払っているだけで、
どこにも建築現場のないロシアと、
資源は豊富でもドロボーだらけで
付加価値の創造と縁遠いブラジルを
同列に並べることはできないと私は見ています。
ですから次は中国が
アメリカと入れ替わるステージがはじまると見て
先ず間違いないでしょう。

その点、財部さんは自ら中国に足を運び
中国市場が実際にどういう動きをしているかよく観察しているので、
次に中国で何が起るか、
それに対して日本はどうすべきかについて
かなり的確で実際的な意見を持っています。
それはコマツの建設機械や
わざわざ成都まで行って
イトーヨーカ堂の繁盛ぶりを取材している姿勢でも
伺い知ることができます。
たまたまコマツではありませんが、
日立建機を合肥に誘ったのも私だったし、
成都にショッピング・センターをつくった私が
伊藤雅俊さんに成都からスタートするように
アドバイスしたこともあって、
他人事と思えず、読み進むことができました。

もちろん、大切なのはこれからの10年です。
次の10年のアジアの更なる成長と発展に相乗りしたい人は
ぜひこの本をお読みになって下さい。
次の10年をどう生きるかについて
間違いのない判断をする参考書の一つになります。


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2010年3月26日(金)

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