中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3670回
日本のスーパーは全員が中国へ

もう一軒のイオンの北京1号店は
郊外にある大規模なショッピング・センターですが、
駐車場だけでも2000台分ありますから、
どのくらいのスケールかご理解いただけると思います。

実は10何年も前にまだ専務だった岡田元也さんを
私が案内して北京をあちこちまわったことがありますが、
イオンは国内のショッピング・センターの建設に追われていたのと、
海外は香港やタイに力が入り、
大陸では青島や上海が先になったので
北京の1号店ができたのは昨年になってからのことです。
私は日本の百貨店もスーパーもコンビニも
やがて中国で勢揃いする日が来ると確信していましたので、
少し遅れてきたイオンが北京入りをすると、
すぐに現場を見学に行きました。

スケールが大きいだけに、
最初から華々しくスタートできるわけもなく、
テナントを入れるだけでも大へんだなと半ば首をかしげましたが、
行く度に少しずつ店もふえ、内容も充実してきたので、
この分なら何とか行けるんじゃないかと楽観するようになりました。
そして、今回は4度目か、5度目だと思いますが、
ちょうど日曜日だったこともあって、
見違えるようなお客の入りに、すっかり胸を撫でおろしました。

一カ所で買物の用が足せてしまうスーパーは
どうやら中国人の気質にあった買物センターらしいぞというのが、
スーパーができはじめた頃からの私の印象です。
これまでの野菜市場と違って、物が豊富なだけでなく、
値段も既存の市場に負けないだけ吸引力がありますから、
中国人は家族ごとスーパーのお客になってしまいます。
一番中国人気質を呑み込んでいるのは
恐らくフランスから進出したカルフールだと思いますが、
買物を終えて、さてキャッシャーに並ぶだけで
1時間もかかってしまうのです。
ですから中国でスーパーの買物をする時は2人で行って
1人が買物をしている間に
もう1人がキャッシャーの行列にならびます。
それでも毎日が長蛇の列ですから、
日本のスーパーにとって魅力のない存在であるわけがありません。


←前回記事へ

2010年3月28日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ