中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3988回
和風の買物の街はできないものでしょうか

中国人はコピーをする才能では日本人より遥か上ですから、
日本のスーパーやデパートを毎日のように見て、
「これはいい」ということがあると、すぐに真似します。
品揃いだって、サービスだって右へならえをしますが、
値段は必らず日本の店より少し安くします。

それでも日本人の店に人気が集まるのは
店全体の雰囲気がよいからです。
日本人の店は一つの売り場がそんなに大きくなく、
あまり立派に見えませんが、
買いたい物がなければ、すぐ隣りに似たような店が並んでいて、
買わなくても気をつかわなくともすむし、
すぐ隣りに移ることができます。

出店をしている会社にしても、
店が小さいので売り子を出している場合も少人数ですみますし、
家賃は売り上げに対する歩合ですから、
出店による負担が少くてすみます。
それに比べると、アメリカ式のショッピング・センターは
1軒のスペースがかなり大きいですから、並べる商品も必要だし、
従業員に払うサラリーだってそれに比例してふえます。
家賃もその分ふえますから、
一定以上の売り上げがないと黒字になりません。
その上、立派な店に入って
何も買わないで出て行くのは気がひけるので、
よほど勇気がないと店の前を素通りしてしまいます。

こうして見ると、少くとも今の段階で
中国人の一般のお客に向いた店づくりは
圧倒的に日本人の方が有利なだけでなく、
これから10年の中国人のふところ具合にうまく合致して
次の時代のショッピング・センターは
日本人にとって工夫の余地が大きいのではないでしょうか。
私はいくつかの都市に頼まれて、
リトル・トウキョウのような町づくりのプランを建てていますが、
タテヤ(30階建)は一切やめて、買物客だけが入りやすいような
5、6階建てだけのお買物の町並みが可能なのではないかと
色々知恵を搾っているところです。
人と同じことをやらないことで
新しい日本風の買物コーナーをつくることが
可能なのではないでしょうか。


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2011年2月9日(水)

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