中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3998回
オリジナル商品より海外の人気商品

いままで他人のそっくりさんをつくることに熱中していた中国で、
中国人の消費者がそっくりさんに見向きもしなくなったら、
中国の産業界ははたして
どういう動きをするようになるのでしょうか。

たとえば、家電業界は
日本のそっくりさんをつくることに熱心でしたが、
全く同じなら、消費者はもちろん、安い方を買いますが、
安くても売れなくなると、日本製品をよく研究して、
日本製品の欠点の改良に力を入れるようになります。
たとえば日本の冷蔵庫はまだ冷凍食品が少なかった頃に決めた
冷凍のスペースと冷蔵スペースの割合を
そのまま頑なに守り続けていますが、
今やどこの家庭でも冷凍食品の方が冷蔵食品よりふえています。
新しい中国製品はそれを逆転していますので、
それが安い製品を嗜好する日本で
逆に人気を呼ぶということが起っています。

同じ電気製品でも、
日本製が人気を呼んでいる冷暖房設備は
日本製がよく売れていますが、
安い中国製品は中国よりもインドやアフリカやブラジルに
大量に輸出されてそれなりに息をつないでいます。
その一方で本物嗜好が豊かになった中国人の関心の的になり、
輸入品が人気を呼ぶ方向に向っているので、
輸出向けだったメーカーの製品が国内に向うのではなくて、
輸入がふえるのと、
外国メーカーが中国に乗り込んで来て中国で生産する
有名ブランドが
次の国内市場をカバーする方向に向っているのです。

ですからチャンスは流通業だけではなく、
海外から進出した流通業が主として取り扱っている
海外で人気のある外国製品が中国じゅうの消費者の心をつかんで
離さない方向に動いているのです。
たとえば資生堂やコーセーの化粧品はもとより
あまり名を知られていない日本化粧品メーカーの製品でも、
それが日本製というだけで
中国の消費者の心を掴むことが可能になってきたのです。
使い捨ておしめから、膏薬からさては加工食品に至るまで
新しくまき起った中国人の消費者の心をつかむことができるので、
中国で次につくられるオリジナル商品より一足先に
中国人に受け入れられる可能性が出てきたのです。


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2011年2月19日(土)

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