中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4028回
次は資源の開発だと考えたので

私が考察団の皆さんと一緒に
宜興市にある中国稀土の見学に行ったのは
昨年の7月のことでした。
その頃の稀土の株価は
確か2ドルちょっとじゃなかったかと思いますが、
しばらくたって稀土の輸出に対して異変が起り、
あッという間に4.5ドルまで暴騰しました。
現在は少し落着いて3.5ドル前後をうろついていますが、
稀土がないと金属加工に支障をきたすので、
産業界が大騒ぎになり、
いまもその対策があとをひいています。

どうして私が中国の特産である稀土や
稀金属に気をつけるようになったかというと、
10年くらい前に、
日立金属の会長さんと親交があって、
ご一緒に中国大陸の旅行をしたことがあったからです。
将来、中国はこういうことになるから、
日本の企業としてはちゃんとした対応をする必要があると言って、
私は奥地にある成都まで案内したのです。
その折りに、元会長さんは自社で生産しているモーターのバネや
カミソリの歯に使う銅類にホンの少しだが、
中国産の稀土を使う必要があり、
その資源を確保するために鉱山の開発に投資がしたいから、
手つだってもらえないかと依頼を受けました。

私は知っている限りのその筋の人たちに頼んで見ましたが、
稀土は政府の管轄下にあり、
海外からの投資は無理だろうということでした。
その時は一社でが負担が大きすぎるから
3社で百億円くらいの出資なら、
という話だったので、
その程度のスケールの話かは大体私の頭にも入っていました。

ですから、上場された中国稀土がどんな仕事をやっているか、
大体のことは理解している積りでしたが、
上場株の解説を見てもチンプンカンプンな記述が多く、
一向に要領を得ません。
本気で投資をするかどうか決めるためにも一ぺん、
工場も見せてもらい、
経営者にも会う必要があると思ってグループを組んで
無錫市に近い宜興市の本社まで訪ねて行ったのです。
最初にあった総経理は董事長の奥さんで、
副総経理は息子さんという町工場のような工場でした。


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2011年3月21日(月)

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