中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4130回
北控水務に人気が集中する可能性

中国水務の株に私が注目したのは
株価が2ドルから1.5ドルの間を往き来していた頃ですが、
昨今は3ドルから2.5ドルの間を往き来しています。
もう少し上に行ってもいいんじゃないかという目で見ていたところ、
最近、オリックスが3.4ドルで2億4000万株の増資に応ずる旨、
発表がありました。

このニュースを受けて株価も強含みに転じましたが、
証券界全体の穎勢に押されてここのところ下落しています。
でもオリックスが時価を上廻った価格で増資に応じたということは
企業の内容が時価より数段上にある何よりの証拠で、
かつてオリックスが香港株の大株主になった不動産株が
しばらくすると大上がりに上がった実績がありますから、
「春よ、もう一度」ということは大いにあり得ることです。
水処理業者の中国における将来性を考えたら、
これから注目すべき銘柄に加えていいのではないでしょうか。

しかし、同じように水処理に注目するなら
私がもっとも心をひかれているのは北控水務です。
北京でずっとやってきた水処理企業が北京控股の傘下に入って
北控水務と名乗ったのですが、
何しろ誰一人知らぬ人のない親会社の力を借りて
全国の地方政府に話を持ちかけるのですから、
施設の工事から水の供給、さては汚水の処理から海水の淡水化まで、
凡そ水と関係のある仕事は
他の追随を許さないほど大へんな勢いで伸びています。

数字の伸びについてはデーターを見て下さい。
ついこの間、増資があって増資後も強含みだったのですが、
「増資直後に配当をしたのでは、
増資資金を配当に廻わしたと邪推されるので」と言って
昨年度の配当を控えたために予想されていた株価が実現せずに
ここのところずっと低迷しています。

「来期は必らず配当しますから」と経営陣も公言していますし、
いくら金融引締めが続いても
政府は水処理の工事を拡大続行するよりほかありませんから、
しばらくすると株価も強含みの動きになると私は見ています。
中国水務よりは北控水務に人気は集中するでしょうね。


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2011年7月1日(金)

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