中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4187回
レストランの海外進出も目立ちます

レストラン業は経済の成長期に
所得のふえる人たちの懐中をあてにして成長する業種の1つです。
ですから池田所得倍増内閣の頃からはじまって
バブルのはじけた宮沢内閣までが一番華々しかった産業の1つで、
とりわけ会社のお金を使って接待をする社用族が
大きな功献をしてくれました。

バブルのはじけた後はジリ貧で、
赤坂や銀座裏の賑わいも今は昔語りになってしまいましたが、
人は生きている限り、
接待したり外食したりをやめることはありませんので、
今後も時代にあった形の、
また皆の財布を痛めない形の
新しいスタイルに変わることは間違いありません。

ですから日本のレストラン業が全滅するわけではありませんが、
同じ商売をやるなら経済が成長過程にあって、
年々、人々の所得が上昇し、
外食に支払われるお金がふえる地域、もしくは国の方が
商売がやりやすいにきまっています。

最近は円高も手伝って
日本の製造業は国内では採算が困難になって、
世界を市場に持つ企業ほど
海外に生産拠点を移す動きが盛んになっています。
実はレストラン業にも同じことが言えるわけで、
その土地の所得がふえることと外食にお金を使う人がふえることが
商売を有利に展開できる条件です。
その意味ではいまの中国の方が
日本よりもずっと商売がしやすいことは一ぺん、
上海や北京に行って自分の目で現地を見れば、
誰にでもすぐに納得することです。

とりわけこれからレストランでもひらこうかと考える人や
新しく独立を考える料理人の目はどうしても大陸の方を向きます。
そのせいでしょうか、最近、上海や北京の町を歩いていると、
これは日本人が新しくひらいた店だなという食べ物が
やたらと目につくようになりました。
但し、しばらくして行くと、
そこにあった店がもう閉めてしまっている、
という事も起っています。
中国の社会は日本と勝手が違いすぎて
早くもトラブルにまき込まれたようだなと
人のことながら心配になります。


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2011年8月27日(土)

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