中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4267回
そろそろ嵐が過ぎ去った後の準備を

「世界は1つ」というのが地球上に住んでいる人たちの
やがて行き着く所であることに間違いはありませんが、
でも今はまだそこに行き着く途中だし、
途中で大嵐や大地震や大洪水にあっている所ですから、
私たちの乗っている小船は大揺れに揺れるにきまっています。

肝っ玉のない人は真っ青になっているし、
こんなことなら船から跳び下りた方がましだと思う人もあれば、
何とか自分だけでも助かる方法はないかと
虫のいいことを考える人もあります。
でも地球全体で起こっていることですから、
自分だけ助かろうと思うのは虫のよすぎる話です。
私自身はしっかり手すりにつかまって
海の中に振り落とされないようにすればいいと思っているし、
降り続ける雨だってそのうちに降り疲れるだろうし、
嵐だっていつまでも同じ所で暴れまわっているわけがありません。
ですから被害を最小限に食い止めて嵐がすぎ去り、
雨がやむのを待てばいいのです。

それに「地球は1つ」だとしても天気の所もあれば、
雨の降っている所もあります。
金欠病に見舞われているユーロでは
外貨を2.4兆ドルも貯め込んだ中国に加勢を頼み込んでいますが、
無条件でお金を貸してくれるお人良しは
親戚の中にだっていないのですから、
皆、ふところ具合が同じということは起りません。
大嵐に見舞われても産業界の空は
陽の当る所から好天気になりますから、
世界中の遊資は門限のない日本にとりあえず逃げ込みますが、
中国は関所があって通せんぼをしていますから、
人民元高になるのにもう少し時間がかかります。
しかし、晴れた地点から陽がのぼりますから、
株式市場だって天気のよくなった所から
先に元気を取り戻すことになります。

それがいつからかは、
嵐がいつまで続くかということと関係がありますので、
明言できる人は地球上どこにもおりません。
できることと言えば、
天気がよくなった時の準備に今からとりかかることです。
私がやっているのも、もちろん、そういうことです。


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2011年11月15日(火)

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