中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4284回
ワイン株の株主にもやがて分け前が

玉村豊男さんが私と中国旅行をして、私のことを書いた本に
邱永漢の予見力」という新書があります。
私が今後10年の間に中国の工業化に伴って食糧不足が起り、
食糧の自給自足が産業界最大のテーマになると予測した
一部終始を述べたものですが、
その中で私と一緒に昆明に行って
中国の実業家にご馳走になったところ、
大きなグラスにフランスのワインを雀の涙ほど入れて、
「乾杯〜」とやる場面を描写した記事があります。

中国の奥地で、中国のワインでなくて、
フランスのワインが出てきたのが意外だったのでしょうが、
それをコップの底にほんの少ししか注がないことに
もっとびっくりしたようです。
どうしてそういう注ぎ方をしたかというと、
中国人は一人ずつ「乾杯〜」をくりかえすので、
ワインをなみなみと注ぐわけに行かない中国人の習慣を
ご存じなかったのではないでしょうか。

もしなみなみと注いで「乾杯〜」とやったら
1本のフランス・ワインでは忽ち足らなくなるし、
飲む方だって大へんな目にあわされてしまいます。
昨今の中国では、かつて白酒や紹興酒で乾杯をやっていたのが
ワインに変わり、ワインが主流になる動きを見せています。

私が株式市場でワインのメーカーに注目することを促したのも、
そうした動きがやがて主流になって
大きく成長すると見ているからです。
そのトップを走っているのが煙台にある張裕葡萄酒で、
私が最初に訪問した時は5ドル台だったのが
何と90ドル台まで暴騰した実績があります。
その後を追う王朝酒業と通天酒業は
まだスタート・ラインに並んだばかりですが、
王朝はレミーマルタンが大株主だし、
通天はかつての赤玉ポートワインみたいなレベルですが、
中国の人口の多さとそれらの人々が一せいに
「乾杯〜」とやる光景を思い浮べたら、
酔いが株主たちのふところまで廻わるまでには
まだ少し時間がかかるでしょうが、
決して夢物語ではないと見ています。


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2011年12月2日(金)

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